フォト_ギャラリー

2018年09月12日 [ 第400回 ]

 アカアシシギ,タカブシギ,コアオアシシギ,アオアシシギ,余録;台風の爪跡

 

 アカアシシギ(幼鳥と思われる) Common Redshank Tringa totanus

 分類:チドリ目 シギ科

 全長:28.0cm

 翼開長:50.5cm

 分布:全国で旅鳥。北海道で夏鳥。

 生息環境:湿地、水田、干潟など。

 食性:甲殻類、貝類、昆虫など。

 レッドリスト :絶滅危惧U類(VU)

 フォトギャラリー:第252回他参照

 撮影難易度:★★★☆☆


 撮影日:2018年9月6日

 撮影時間:10時30分42秒

 シャッタースピード:1/160秒

 絞り値:F16

 撮影モード:マニュアル

 焦点距離:1000mm(換算1500mm)

 ISO感度:400

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon Reflex−NIKKOR・C 1:8 f=500mm
        :Nikon Teleconverter TC−201 2×





 

 

 タカブシギ Wood Sandpiper Tringa glareola

 分類:チドリ目 シギ科

 全長:21.5cm

 翼開長:39.5cm

 分布:全国で旅鳥または冬鳥。

 生息環境:水田、湿地、河川など。

 食性:昆虫、甲殻類、貝類など。

 レッドリスト:絶滅危惧U類(VU)

 フォトギャラリー:第155回参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2018年9月6日

 撮影時間:10時39分43秒

 シャッタースピード:1/160秒

 絞り値:F16

 撮影モード:マニュアル

 焦点距離:1000mm(換算1500mm)

 ISO感度:400

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon Reflex−NIKKOR・C 1:8 f=500mm
        :Nikon Teleconverter TC−201 2×


 撮影日:2018年9月6日

 撮影時間:10時43分35秒

 シャッタースピード:1/160秒

 絞り値:F16

 撮影モード:マニュアル

 焦点距離:1000mm(換算1500mm)

 ISO感度:400

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon Reflex−NIKKOR・C 1:8 f=500mm
        :Nikon Teleconverter TC−201 2×





 

 

 コアオアシシギ(上左、下) Marsh Sandpiper Tringa stagnatilis

 分類:チドリ目 シギ科

 全長:24.0cm

 翼開長:55.0〜59.0cm

 分布:全国で旅鳥。

 生息環境:水田、河川、干潟など。

 食性:幼虫、甲殻類、魚類など。

 フォトギャラリー:第322回他参照

 撮影難易度:★★★☆☆


 撮影日:2018年9月6日

 撮影時間:12時05分52秒

 シャッタースピード:1/160秒

 絞り値:F16

 撮影モード:マニュアル

 焦点距離:1000mm(換算1500mm)

 ISO感度:400

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon Reflex−NIKKOR・C 1:8 f=500mm
        :Nikon Teleconverter TC−201 2×


 撮影日:2018年9月6日

 撮影時間:12時04分05秒

 シャッタースピード:1/160秒

 絞り値:F16

 撮影モード:マニュアル

 焦点距離:1000mm(換算1500mm)

 ISO感度:400

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon Reflex−NIKKOR・C 1:8 f=500mm
        :Nikon Teleconverter TC−201 2×





 

 アオアシシギ(左=幼鳥と思われる、右=成鳥) Common Greenshank Tringa nebularia

 分類:チドリ目 シギ科

 全長:32.0cm

 翼開長:68.0〜70.0cm

 分布:全国で旅鳥。局地的に越冬。

 生息環境:水田、河川、干潟など。

 食性:甲殻類、昆虫、魚類など。

 フォトギャラリー:第312回他参照 

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2018年9月6日

 撮影時間:12時12分18秒

 シャッタースピード:1/160秒

 絞り値:F16

 撮影モード:マニュアル

 焦点距離:1000mm(換算1500mm)

 ISO感度:400

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon Reflex−NIKKOR・C 1:8 f=500mm
        :Nikon Teleconverter TC−201 2×


 干潮ということも有り台風一過の大阪南港野鳥園に行ってみたらけっこうシギ科の野鳥たちで賑わっ ていた。 アカアシシギの幼鳥と思われる個体が蟹を捕らえていた。 どうやら甲羅をくわえたまでは良 いが蟹も必死に嘴を挟んで抵抗しているらしくこの体勢のまま膠着状態で数分間も固まっていた。 ア カアシシギの方もどうしていいか分からずじっと勝機をうかがっている様子だった。 似ているツルシギ の幼鳥は体下面に横斑が密に有る。 一部の図鑑によればツルシギの眉斑の白色部は眼の後方まで 伸びるがアカアシシギのそれは眼先までとされその記述通りならこの個体はツルシギを支持している。  しかし過去の個人的な画像を見るとアカアシシギの眉斑もけっこう眼の後方まで伸びている様に見え るものが多数有りその他の特徴と合わせてアカアシシギの幼鳥と判断した。 幼鳥と判断した根拠は 足の赤さが淡いからだ。 もちろん翼を広げてくれさえすればアカアシシギは初列風切の一部と次列風 切が白くツルシギの風切は灰褐色なのでもっと確実に識別出来る。
 タカブシギは現場ではキアシシギと思っている人が多かったが体上面に白斑が目立つ事からタカブシ ギと判断した。 誰かがこうだと言えば先入観で皆そう思い込んでしまう傾向が有る。 尾が見えれば その名の通り鷹斑が有るので識別が楽だが残念ながら確認出来なかった。 ちなみにこの日はキアシ シギも居なかった訳ではない(画像は割愛)。
 近年ここ大阪南港野鳥園では複数のコアオアシシギが見られる機会が増えた。 個体数が少なく以 前はたまに1羽単位でアオアシシギの群れに混ざっているくらいのものだったが小群で見られる様にな ったのは嬉しい限りだ。 この日も少なくとも2羽がアオアシシギと行動を共にしていた(上の画像の右 はアオアシシギ)。 下の画像の個体は暑かったのか翼をだらしなく広げたまましばらくじっとしていた。  これは瞬間的な画像ではなく恐らくこうして体温調節していたのだと思われる。
 最後のアオアシシギはこの時季最も普通に見られるシギの一つ(英名もCommon Greenshank= 普通の緑色の脛)だが左の個体は褐色味が強くいつも見慣れたアオアシシギとは明らかに羽色が異な り(右の個体が見慣れた羽色)もしや何か別種の珍鳥かもと思わせたが図鑑で探した限りアオアシシ ギ以外ではなさそうでその幼鳥らしいと判断した。 しかしそうなると新たな謎が生まれる。 アオアシシ ギほどよく見られるシギの幼鳥を今まで見る機会が無かったのは何故なのか? 不思議だ。 今頃気 付いたかと笑われるかも知れないが考えてみれば春の渡りシーズンは繁殖前なのでその年生まれの 幼鳥は見られないはずで旅鳥のこういうシーンは秋限定という事になる。
 この日はソリハシシギなども見られ(画像は割愛)干潟は何事も無かったかの様に賑わっていた。

 なお今回でフォトギャラリーが第400回を迎えた。 この記念すべき佳節を多くの野鳥たちで飾る事 が出来て良かった。


 ツルシギ:フォトギャラリー第174回参照 
 キアシシギ:フォトギャラリー第197回他参照
 ソリハシシギ:フォトギャラリー第319回他参照


 余録;台風の爪跡
 
 南港近くの道路標識
 風圧で支柱が曲がったものと思われる。


 
 南港近くの駐車場では何台かの車が裏返しになっていた。


 
 駅から大阪南港野鳥園に向かう歩道
 並木が多数倒れていて閉園になっているかもと思ったがこんな状態でも開いていた。


 
 大阪南港野鳥園の緑道
 園内にも強風と高潮の被害が及んでいた。


 
 北観察所に向かう緑道
 途中通れない箇所が多く迷路の様になっていた。園の奥まで海水が浸入したらしく海洋ゴミが大量に 堆積していた。


 
 北観察所
 観察窓上部の庇の部分が吹き飛んで大きな造作ごと緑道の方まで飛んでいた。観察窓の高さまで波 が来たらしくいろんなものが絡みついていた。


 人工物は甚大な被害を被っていたが幸い干潟の方には特に目立った被害が見受けられなかった。  自然は自ら自然に返ろうとするものらしい。 我々人間はインフラの修復を「復旧」と呼ぶが海に投棄さ れたゴミは陸地に押し戻されたし自然界から見ればこの状態こそ「復旧」なのかも知れない。 但し僕 は自然に返れなどと主張するつもりは無い。 自然に逆らった人工物ほど自然災害に弱いという気が するだけだ。 自然に近い形のものほど災害に強いのではないかと思える。 被災状況を目の当たり にしてこれからのインフラ整備を考える上で示唆に富んでいると感じた。 高潮が防潮堤を越えてしま ったら「想定外だった」などと報道されるがこういう物は飽くまで確率的に想定して設計されているもの だ。 例えば「10年確率」と言えば確率的に10年に1度起きる事を想定して設計されているという事 だ。 仮に千年や1万年に1度の災害を想定して設計すれば安全性は高まるが大変なオーバースペッ クでコストが際限なく掛かるしどんなにコストを掛けたとしても絶対に完璧になるという訳ではない。 コ ストとスペックのバランスを考えて妥当な落とし所で設計されているのであって想定外という事ではなく むしろあらゆる可能性が想定された上での事なのだと思う。 ならばこういう事態は起こり得るものだと 割り切って想定し致命的なダメージを被らない様それに備える方が合理的という事になる。



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