フォト_ギャラリー

2018年05月16日 [ 第374回 ]

 シマアオジ,シベリアアオジ,ムギマキ,マミジロキビタキ

 前回に続き今回もドキュメンタリー・レイアウト編での公開。

 

 

 シマアオジ(雌タイプと思われる) Yellow-breasted Bunting Emberiza aureola

 分類:スズメ目 ホオジロ科

 全長:15.0cm

 翼開長:不詳

 分布:北海道で少ない夏鳥、日本海側の島嶼部などで稀な旅鳥。

 生息環境:平地の草原、牧草地など。

 食性:草の種子、昆虫など。

 レッドリスト:絶滅危惧TA類(CR)

 フォトギャラリー:初登場

 撮影難易度:★★★★★


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:11時07分18秒

 シャッタースピード:1/2500秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:11時07分19秒

 シャッタースピード:1/2000秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 舳倉島に渡った僕は民宿つかさに荷物を降ろすなり早速海岸へ探鳥に出ていきなりシマアオジ雌タ イプとしか思えないものを撮った。 絞り値がF7.1となっているのは僕がよくやる小さなミスで何かのタ イミングで無意識にコマンドダイヤルを回してしまう癖が有るらしく気が付けばこうなっていることが有 る。 しかし今回は充分なシャッタースピードだから結果オーライだ。 図鑑によればシマアオジ雌は 「頭央線、広い眉斑、腮から喉以下の体下面は淡黄色。頭側線、過眼線、頬線は黒褐色でやや栗色 がかる。体上面は褐色で背に明瞭な黒褐色の縦斑があり中雨覆先端は白色で翼帯がある。第1回冬 羽ではバフ色がかる。」とあり概ね合致しているように思われる。 また類似種との識別をするとアオジ の雌は「体下面が黄色で頭部から腰は緑色味が有る。頭央線、頭側線はあまりはっきりしない。」とあ る。 またシマノジコの雌は「頭側線と眉斑の境界が不明瞭。」となっていて、これらの記述に照らしても シマアオジを支持している。 大きな特徴であるはずの中雨覆先端の白色部がバフ色がかって見える のが気掛かりだが図鑑の記載に照らして若鳥と思われる。 僕の他には目撃情報が無く帰宅後にパソ コン画面で見て初めてどうやらシマアオジっぽいと気付いたが何しろシマアオジと判ったうえで見た事 は無いので全く自信は無い。 自分で探す努力を怠って誰かに教えてもらう情報だけを頼っていれば 撮影も楽だし同定で悩む事も無い。 しかしそれだけでは他人と同じ画しか撮れない。 探鳥は登山な どと同様で、しんどい思いをするのもバードウォッチングの一部だ。 もしエスカレーターで山に登ったら 登山とは言えない。 自分で同定しようと挑戦するのも上達の近道だ。 冒頭で「シマアオジ雌タイプと しか思えないもの」とコメントしたが今となってみればそう思うだけで現場では「何やら変わった鳥が居 る」としか判らなかった。 もし撮影地が他所ならほとんど有り得ない野鳥なのでもっと自信が無いとこ ろだったがここは舳倉島。 これだけの材料が揃っていればこう判断しても間違ってないだろう。 ふた 昔前の古い図鑑では「北海道を代表する小鳥」として普通種扱いされていたが近年その数は激減して おりコウノトリなどと同格の絶滅危惧TA類に指定されるまでになってしまった。 今や北海道の繁殖地 でもほとんど見られなくなっているらしく個体数の減り方が余りにも加速度的であり危機的状況と思わ れる。 次のシベリアアオジはアオジの亜種だがシマアオジは全くの別種だ。





 

 シベリアアオジ(雌と思われる) Black-faced Bunting Enberiza spodocephala spodocephala

 分類:スズメ目 ホオジロ科

 全長:不詳 

 翼開長:不詳

 分布:主に日本海側、九州以西で少ない旅鳥。

 生息環境:平地〜山地の林、農地など。

 食性:昆虫、蜘蛛、草木の種子。

 フォトギャラリー:第185回他参照

 撮影難易度:★★★★☆


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:11時05分52秒

 シャッタースピード:1/1250秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 同じポイントでたまたま撮れたシベリアアオジと思われる個体を比較の為に記載しておく。 実はこち らの方が先に撮れていた。 頭部から胸にかけて暗緑灰色で腹以下の体下面が淡い黄色なのがその 根拠だが胸と腹の境界が明瞭ではない様に見えるのでハイブリッドの可能性も有る。 舳倉島ではこう いうアオジとは異なるがシベリアアオジとも言いきれない中間的な個体も多い。





 

 

 ムギマキ(上=雌タイプ、下=雄) Mugimaki Flycatcher Ficedula mugimaki

 分類:スズメ目 ヒタキ科

 全長:13.0cm

 翼開長:21.5cm

 分布:全国で旅鳥。

 生息環境:平地〜山地の林など。

 食性:主に幼虫。

 フォトギャラリー:第233回参照

 撮影難易度:★★★☆☆


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:12時08分23秒

 シャッタースピード:1/100秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:12時27分28秒

 シャッタースピード:1/320秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 気温が上がって来たお昼頃に水浴び狙いで島の中央付近にある水場へ行ってみたらムギマキの雌 タイプが居た。 しかしその他は出が悪く他へ移動しようと歩き始めたら診療所の前辺りで綺麗な雄が 現れた。 一瞬マミジロキビタキかと思ったがムギマキだった。 初列風切と次列風切が褐色の幼羽に 見えるので第1回夏羽と思われる。





 

 マミジロキビタキ(雄) Yellow-rumped(Tricolor) Flycatcher Ficedula zanthopygia

 分類:スズメ目 ヒタキ科

 全長:13.0cm

 翼開長:22.0cm

 分布:主に日本海側の島嶼部で稀な旅鳥。

 生息環境:平地〜山地の林など。

 食性:昆虫、蜘蛛など。

 フォトギャラリー:第233回参照

 撮影難易度:★★★★☆


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:12時31分05秒

 シャッタースピード:1/2500秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 その直後松林の小道を歩いていると今度はそのマミジロキビタキが笹藪の中から出て来た。 小道 の路面に餌となる虫でも居るのかヒタキ科のいろんな小鳥達が出没していた。 島に上陸してまだ2時 間しか経っていないのにいきなりエンジン全開だ。 午後からはいったん島の西半分の海岸に出ようと 胸躍らせてそちらへ向かった。


 アオジ:フォトギャラリー第360回他参照
 シマノジコ::フォトギャラリー第231回参照
 参考文献:「日本の野鳥650」平凡社 「野鳥カタログ」永岡書店



トップへ
戻る
前へ
次へ