フォト_ギャラリー

2018年05月20日 [ 第375回 ]

 ヒメコウテンシ,オジロビタキ,コルリ,エゾムシクイ(?),ブッポウソウ,余録;民宿つかさ

 舳倉島の西海岸に出た僕は通路から岩礁に目を凝らした。 この海岸の難しいところは野鳥まで距離 が有って見辛い事だが死角は多いものの広範囲に見通しが利くので見つけるのはさほど難しくない。  すぐに明るいベージュ色の小鳥が目に止まった。 珍鳥だからと言ってカラフルに珍鳥オーラを発してい るとは限らない。 地味だが非常に特徴的な色味に見えたので咄嗟に撮影した。 しかし距離が有り過ぎ て画質が悪く現場で識別するのは諦めて帰宅後パソコン画面で同定することにした。 後日帰宅途中に ある所でレンジャーにモニター画像を見てもらったら即座にヒメコウテンシとの同定。 この画像で即答 出来るとはさすがプロだと感心する。

 

 

 ヒメコウテンシ Greater Short-toed Lark Calandrella brachydactyla

 分類:スズメ目 ヒバリ科

 全長:14.0cm

 翼開長:不詳

 分布:主に日本海側の島嶼部で少ない旅鳥。

 生息環境:海岸、草原、農耕地など。

 食性:種子、昆虫、蜘蛛など。

 フォトギャラリー:初登場

 撮影難易度:★★★★☆


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:13時04分36秒

 シャッタースピード:1/1000秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:13時04分40秒

 シャッタースピード:1/800秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 さて類似種との識別だがレンジャーによれば静止時ヒメコウテンシは三列風切が初列風切の上に被 さる傾向が有り翼が短い。 クビワコウテンシは逆に翼が長く尾が短く見える。 コヒバリは三列風切よ り初列風切が突出するとの事。 ヒバリは線がくっきり目立つ。確かに色の淡さが肉眼でもヒバリとは 明確に違って見えた。 だから撮影した訳でヒバリを見慣れていることが役に立った。 普通種であって も普段から地道によく観察しておくとこういう時に生きて来る。 ヒメコウテンシは舳倉島では少なくない がアマチュアはヒバリと思って気付かずに終っていることが多いそうだ。 人間というものは経験則が邪 魔をして自分が過去に見たものと似ているとそれに違いないと思い込む傾向が有るのだろう。 僕も今 回初めて見たと思っているが過去にそれと気付かないまま見ていた可能性は有る。 地味で同定が難 しい野鳥だがいつか見たいという憧れは有った。 もしこの時点でそれと判っていたら三脚を立てレン ズを超望遠に交換してでも撮影を続行していただろう。 見慣れていれば肉眼でもそれと気付いていた ところかも知れない。 しかし今回強い印象が残ったのでもし次に同じ条件で見る機会が有ればきっと 気付くはずだ。 図鑑で見た知識と実物を見た印象とでは後者の方が遥かに身につくのだと思う。





 

 

 オジロビタキ(雄) Taiga Flycatcher Ficedula albicilla

 分類:スズメ目 ヒタキ科

 全長:12.0cm

 翼開長:21.0cm

 分布:全国で稀な旅鳥または冬鳥。

 生息環境:平地〜山地の林、公園など。

 食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。

 フォトギャラリー:初登場 

 撮影難易度:★★★★☆


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:14時01分45秒

 シャッタースピード:1/1600秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:14時03分09秒

 シャッタースピード:1/2500秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR

 同じ岩礁地帯にオジロビタキも居た(画像は松林に戻った所に居た別個体)。 大阪でもニシオジロビ タキは過去2度ほど見たことが有るがオジロビタキの方は初見だ。 ニシオジロビタキは下嘴が淡黄褐 色でオジロビタキは黒いが光線状態によってはどちらも黒く潰れてしまってよく見えなくなる。 もっと分 かりやすいところでは上尾筒がニシオジロビタキは灰色、オジロビタキは上の画像の通り黒い。 雄な らば腮から喉の橙色が胸までぼんやりと広がって見えるのがニシオジロビタキでオジロビタキは胸が 灰色でその境界がはっきりして見えるそうだ。 現地で出会った人は舳倉島ではニシオジロビタキは見 たことが無く全てオジロビタキの間違いだろうと言っていたがレンジャーによればそれは時季によるそう だ。 ベテランの多い舳倉島では個人の見解が飛び交うから話は複数の人に確認した方が良い。 な おオジロビタキは東日本、ニシオジロビタキは西日本で見られる傾向が有るらしいがニシオジロビタキ の「ニシ」は西日本の「西」ではなく世界的な分布域がヨーロッパやアフリカなど一般的な世界地図の西 方面に寄っているからだと思われる。





 

 

 コルリ(上=雄若鳥、下=雌) Siberian Blue Robin Luscinia cyane

 分類:スズメ目 ヒタキ科

 全長:14.0cm

 翼開長:22.0cm

 分布:中部以北で夏鳥、それ以南で旅鳥。

 生息環境:平地〜山地の林。

 食性:昆虫、蜘蛛、ミミズなど。

 フォトギャラリー:第185回他参照

 撮影難易度:★★★☆☆


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:14時37分38秒

 シャッタースピード:1/60秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:14時59分12秒

 シャッタースピード:1/40秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 コルリは水場でよく出た。 図鑑によれば雌は額や腰に青味が有るとされる。 図鑑の記述に従えば コルリ1枚目の個体は雌の様に見える。 しかしレンジャーによればこれは雄の若鳥との事で上尾筒 の茶色い2枚目が雌という見立てだ。 ここで気になるのがシマゴマとの識別で図鑑によればシマゴマ は体下面に褐色の鱗状斑、不明瞭ながら眉斑が有り腰に青味が無く赤褐色味が有るとされ、その記 述に従って僕は1枚目の個体がコルリ雌、2枚目の個体をシマゴマと思っていた。 これをコルリ雌と言 われてはこれまでシマゴマと思っていたものが全て崩れ去ってしまう様な気がする。





 

 エゾムシクイ(?) Sakhalin Lief Warbler Phylloscopus borealoides

 分類:スズメ目 ムシクイ科

 全長:12.0cm

 翼開長:18.0cm

 分布:主に四国、本州中部以北で夏鳥。

 生息環境:山地の林など。

 食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。

 フォトギャラリー:第202回他参照

 撮影難易度:★★★☆☆


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:15時16分00秒

 シャッタースピード:1/60秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 同じ水場に現れたエゾムシクイと思われるものはアムールムシクイと極似しておりここ舳倉島にはど ちらが居てもおかしくないので鳴き声で識別するしかない。 そんな訳でキャプションには(?)を付け た。 ここへ来てコルリとエゾムシクイの撮影は失敗していて絞りの設定を間違ったままでスローシャッ ターになっているから画像がブレている。 ここは絞りを開放してISO感度をもう1段上げておくべきだっ た。 まあ普通種だったから良かった様なものだ。





 

 ブッポウソウ Oriental Dollarbird Eurystomus orientalis

 分類:ブッポウソウ目 ブッポウソウ科

 全長:30.0cm

 翼開長:70.5cm

 分布:本州、四国、九州で夏鳥。

 生息環境:平地〜山地の林など。

 食性:昆虫。

 レッドリスト:絶滅危惧TB類(EN)

 指定:天然記念物

 フォトギャラリー:第187回参照

 撮影難易度:★★★★☆


 撮影日:2018年5月8日

 撮影時間:15時53分26秒

 シャッタースピード:1/250秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 初日の締めくくりはブッポウソウでグラウンドの奥の電線に止まっていた。 個人的には3年前にこの 付近で撮影して以来だ。 半日余りの成果としては充実し過ぎとも言える初日だった。 翌日は終日動 ける日だからどんな事になるのかと思うとうきうきして寝る間も惜しい程だ。 こうして舳倉島の濃過ぎ る1日が終った。


 ヒバリ:フォトギャラリー第371回他参照
 ニシオジロビタキ:フォトギャラリー第338回他参照
 シマゴマ:フォトギャラリー第296回参照


 余録;民宿つかさ
 

 今回2泊お世話になった島内の民宿。 海鮮料理が美味しかった(目を奪われて写真を撮り忘れた のが心残り)。 部屋数に限りがあり相部屋となったが同部屋になった人が同じ関西人で底抜けに明る い人だったので野鳥の話をしていると気が開けてすぐに打ち解けることが出来た。 どの趣味でも同じ だと思うが野鳥ファン同士はすぐに意気投合して仲良くなれる。 実はここへ来る前日朝6時に目が覚 めてしまい自宅を出る前に深夜ドライブに備えて昼間の内に仮眠を取っておこうと横になったものの興 奮して一睡も出来ずに出発したので結局ここまで36時間以上眠っていない状態だった。 翌朝は夜明 け前に起床しようと思い早めに就寝した。



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